20歳のとき、政治に志を持ち、一貫してこの道を歩んできた私にとって、国政は最後の舞台という感慨があります。地域での活動を重ね、サラリーマンとなり、仕事で悩み楽しむ経験を経る中で、地方政治家となり、更に国政の改革に取り組める機会があれば…・と思っていたからです。
さて最近、参議院不要論なるものもありますが、私は、二院制度は国家としての奥行き、風格をつくると考えます。そして、参議院の存在意義というものは、衆議院と違い、任期途中に解散という事がなく、じっくりと国の行く末を見定めて、真の国家改革に取り組める場であると考えます。特に外交・防衛・教育・環境政策は政局に左右されずに議論を深めて、しっかりとした国の方針を確立する分野です。若い時代、衆・参両議院の秘書を経てきた経験からも、この事は確信できます。
中国の古典に、最も評価できる政治とは、『誰が政治を執り行っているかは分からず、暮らしが豊かで安心のできる社会の確立』と書かれています。マスコミが成熟し、情報社会に在る今日では、前段の話は隔世の感がありますが、政治家がもう少し歴史に対し、大きな時代の流れに対し、謙虚である必要はありましょう。
後段の文言は、現代に対する痛烈な皮肉かもしれません。「暮らしの豊かさとはホンモノですか?」「自身の生活だけでなく、人類の健全な生存にも自信をお持ちですか?」と私の耳には聞えてきます。モノばかりではなく心への満足も政治は配慮すべきでありましょう。
自分ばかりでなく他者への幸福の願いも共生社会の理念であるとすれば、国の内外を問わず、私たちの為すべき仕事は山のようにあります。私は真の国益の追求と世界連邦も視野に入れた世界の恒久平和の為に全力を尽くします。
領土問題の解決も単に、ケンカ腰では国益を損ねます。
鷹の心で鳩のごとく振る舞い、果実をしっかり獲りにいきます。
我が国の外交・防衛の基軸は、日米同盟にあり、今後、少なくとも数十年に亘り、この選択を変えるべきでない。東アジアの共同体構想は、現実的には、各国と自由貿易協定を締結し、これを積み上げることで、経済に於ける緊密な関係を面的に広げることができる。謙虚に、強か(したたか)に、目立たぬように。
永遠の友好国も、永遠の敵国もないのだから。
わたしたちは今、自信を失いかけている。子供の学力低下までも悲観材料として指摘する識者も多い。しかし、日本人の持っている潜在的能力は、一朝一夕に消えるものではない。DNAにしっかり刻印されているので、それをどう引き出すかだけの問題であり、私は楽観している。
私の政治理念の根本は、生命を守り、躍動させ、全うさせることにある。国内では、食の安全が問われ、3万人を超える自殺者があり、殺人事件が激増し、治安が脅かされている。国外では、人権が侵され多くの国民を虐げている国がある。そして、国民が餓死に追い込まれる最貧国もある。先ず、私は国内外の人々の生命を守るための施策づくりに取り組みたい。